赤ちゃんは鳥のようにしゃべる

1歳を過ぎても言葉が出なかった、たっちゃん。2歳を過ぎて、ある日突然、「ワンワン」と綺麗に言った。絵本を読んであげていて、犬を指して、言った。 初めてしゃべったことよりも、発音の綺麗さに驚いた。それまでも、指さして「あーうー」と声を出したり…

今夜は暗いお母さん

なんでこんなに疲れているのかと思うけど、当たり前だ。「何時間以上寝ないとダメなタイプ」とか「体力がなくて休日は家に居たい」とか言っていた独身の頃の自分は、何言っちゃってたんだかってくらいの生活を今はしているんだから。体中が痛いというのは、…

ひっくり返ってバタバタ

思い通りにいかないこと、嫌なこと、我慢できない気もちで、手足をばたつかせるしかなかった。畳にひっくり返って、いつもは見ない天井の模様が新鮮だった。土曜の午後の日差しが窓から入っていた。若かった母が、呆れて不機嫌な顔をして立っているのを、下…

生き残ったらピアノを弾きたい

息子はピアノを弾いてくれるかな。その前に死んじゃうかな。同じ障害の子が亡くなった時のブログ記事なんかを読むと、泣けてしょうがない。でも、たっちゃん(2歳)の将来にあるたくさんの苦難を思うと、看取ってあげたい。今の、赤ちゃんで、私と私の母で…

シラスが降って来た

小説のようなことが現実に起こって、びっくりしている。村上春樹の小説では、イワシが降って来たと思うけど。うちはシラスだった。鏡で自分の頭をチェックして、数匹取り除いてから出社したけど、もし私の髪にシラスが付いてたら職場の人たち指摘してくれる…

へそチュッチュ

最近のたっちゃん(2歳)とお母さんの間での流行りもの。シャツを捲って、それぞれにぽっこりしたお腹を出して、おへそとおへそをくっつける気持ちでぴったりと寄る。へそチュッチュ。 たっちゃんの幼児体型と出ベソが可愛くて、つい。見ているバアバには「…

さようなら家族

心にぽっかり穴が開くような体験をしたことがない人は、このぽっかり感を理解することはできないんじゃないだろうか。少し前までの私みたいに。 どうして夫は、いつから、あんな風になっちゃったんだろう。私も悪かったの? それならその方がいい。でも、い…

お母さんの、恋愛感情

独身の頃、食欲とか睡眠欲に並ぶ三大欲と言われるもう一つのものが、実感できなかった。長らく女子校に通っていて、友人でも芸能人でも、可愛い女の子を見るのが好きだった。肌に触ってみたいとも思ったし、いい匂いが漂ってくるとわくわくした。男性に交じ…

息子よ母をうるさがらないで

全身にクリームを塗ってあげる。お風呂上りのほかほかの体が冷めないうちに。パジャマを着るように促す。着せてあげようとすると嫌がるから。たっちゃん2歳。いい匂いも柔らかい体も、生まれた時から続いてるけど、乾燥肌になってきた。母親譲りでごめんね…

夜中の音楽に溶ける世界を抜けて子どもの横へ

意識なんて溶けてなくなってしまえばいいのにというくらい、頭の中に「2台ピアノ」が鳴り響いている。2歳になったたっちゃんともう一度同化して、私たちの存在は粒子の粉々で世界に返る。 アンパンマン体操の振付を勉強しようと思って、Youtubeを開いたら…

遺言ではないけれど(思い残すこと)

もし私が突然、脳みそに異常を来したら。それが事故でも、病気でも、精神障害でも。子どもを産んだ今となっては、ただ、その子が心配。誰かが、世話してくれるだろう。だけど、最低限伝えておきたいこと。 たっちゃんにとっては、体のこと、病気や治療のこと…

お母さんは怒ってます

怒りがふつふつと湧いてきた。夫と別居して1年。たっちゃんは2歳になった。食べたいものも、欲しいものも、何一つ思いつかないという不思議な状況も、少しずつ元に戻ってきた。今はペットボトルだけどミルクティーを飲んでいる。コンビニで、それが欲しい…

赤ちゃんグッズのふわふわ世界

アマゾンでシャンプーを買おうとしたら、ムーニーのオムツを勧められた。購入履歴から表示されるのだ。音楽を聞こうとすると、再生履歴にトップ回数で、アンパンマン体操のアイキャッチアイコンが目立っている。たっちゃん(2歳)と一緒に踊りたいと思って…

欠落感は、母になっても

後ろに回した手が痛々しいのは、なぜだろう。自分で自分を守ることができない人だから? それはある程度はみんなそうだけど、この人はあまりに、か弱い。それなのに、いつも一生懸命で何も疑わず、まっすぐに進もうとしているから? 健気ってことかしら。 た…

母になって知る母心は、子どもが運んできた祝福

母親と喧嘩した。理由は忘れた、というか、いくらでもある。 夫との生活から飛び出してきた、私と1歳のたっちゃんを受け入れてくれた母親。私が結婚して実家を出るまでは、口喧嘩が絶えなかった母親。仲良くやっていけるとは、はじめから思っていなかった。…

生活習慣を身につける

夕食後、たっちゃん(2歳)が盛んに口を指で指して、それから台所にいっしょに行こうと言う。食事の終わりにウンチして、おむつ替えした後に、まだ食べたいの? お腹いっぱいじゃないのかしら。 違う、このサインは、歯みがきだ! お母さんは遅ればせながら…

物語を探して

別居中の夫が、再同居を求めている。私だって、子どもの父親と、できれば夫と、暮らせたらいいと思う。でも、同居していた頃、そして子どもが生まれてすぐの頃に、夫が家事育児をあまりやらず、改善を求めたら暴言を吐いたこと。それから、いくつかのこと。…

歯みがきは嫌いだよ

食後の歯みがきを嫌がる、たっちゃん(2歳)。イヤイヤという、ボールとか持ち出して遊びに誘ってくる。それでも歯ブラシを近づければ、泣き顔になって手足をバタバタする。困ったもんだ。これで虫歯になったりしたら、大人しく歯医者さんに通って口を開け…

気合入ったお母さん

「どんなに大変でも、母親だから当然。気合いで乗り切る」。そう言った、ママ友がいる。私にはその発想が無かったから、新鮮な驚きだった。大変なことは大変で、心折れそうになるし、乗り切るためには周りに助けを求めてきたし。子どもは可愛いけど、母親が…

はじめての、お話

「わんわん」と、たっちゃんが言った。クリアに言った。昨日、突然、初めて。 何か月も前から、何となく「バアバ」とか、「あっち」「こっち」「あれ」と言うようにはなっていた。はっきりと「あぶー」と言ってみたり、「あうあうあう」と何かをしゃべってい…

大切なものを損なう心配

頭をコツンとぶつけて、シーンとした後、ウェーーーンと泣いた。 私(お母さん)が「あ!」と小さく叫んでしまったので、たっちゃん(2歳)はびっくりして泣いたのだろう、とバアバは言った。確かに、大してぶつけてないし、たっちゃんは大きな音とかでびっ…

純粋な優しさ

お風呂上り、保湿剤のヒルドイドローションを塗っていると、たっちゃん(2歳)が右の手のひらを左の人差し指でツンツンして、自分にも欲しいアピール。1滴、手のひらに落としてあげると、いつの間に覚えたのか、両手のひらをこすり合わせて伸ばす。そして…

ひとつとひとつで、ふたつ!

たっちゃん(2歳)が自分の両足を指し、両手の人差し指を立てた。私が「ひとつとひとつで、ふたつ!」って言ってあげたら、にっこりした。最近のたっちゃんの流行り。同じものが二つ並ぶと、これをやる。 数の概念を獲得した、なんて大袈裟な話ではないと思…

やらせたいことと、やりたいことが違う

食事を終えて、椅子から降ろす。歯ブラシを濡らして持ってくると、たっちゃん(2歳)は、絶賛、テーブルの足を乗り越え遊び中。「歯みがきしよ!」と努めて明るく、当然のように声をかけても、「ふん」と拒絶して、せっせとテーブルの足を乗り越えている。…

表象の獲得

はじめて表象の世界に登場したのは、「キャベツーの、中かーら、」の手遊び歌を覚えて、両手を重ねてキャベツを表現したとき。0歳の半ばだったかな。夕方、私が仕事から帰ったら、たっちゃんが台所に置いたイスに座って、バアバが料理するのを見ていた。バア…

ことばを覚える

「耳はどこ?」「これ!」への感動が止まらない。たっちゃん2歳。発達検査で、体の部位を聞かれて、テキパキ答えることができた。 家族ではそのくらいの会話はしている。でも、初対面の他人とそんな会話が通じるなんて、もうたっちゃんは言語を操る人になっ…

これだけは息子に伝えたい

プロジェクトが通った。気づけば頭痛も消えていた。この数日は、散々だった。悪気なく言った言葉で相手は怒り、よくよく考えれば私に非があるし、ついでに昼食が美味しくなかった。乗ろうとした電車が目の前で行ってしまうとか、そういうやつだ。いつものあ…

負うた子に教えられる

トーストをふと手に取ると、ピーナツバターをバターナイフでつつきまわして、パンに塗る仕草をし、私の口元まで持ってきてくれた。たっちゃん2歳。思いやりにあふれ、お手伝いが上手で、何でもやってみたい盛り。 自分の食事は、まだ離乳食で、スプーンで口…

母を超えて進んでおくれ

発達検査を受けてきた。たっちゃん2歳。運動は苦手。お話するのも苦手。でも、どうにも話がわかっているようにしか見えない。お手伝いなんかもせっせとしてくれて、どういうメンタリティしてるんだろうと思ってはいたけれど。 鼻はどこ?→ここ! 耳は?→こ…

私のままでお母さんになれるかな

声をかけられて、慌てて返事をするんだけど、自分じゃない人間がしゃべってるのを遠くから見ているようにリアリティーが希薄で、それでもしゃべり続けるために必死で努力している。離人感、という言葉を久しぶりに思い出す。中学生の頃に、自分のこの感覚は…