よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

職場での妊娠報告

 妊娠6週目も無事過ぎ去ろうとしている。無事? 産婦人科で先生に診てもらってから、次の診察日まで、彼子ちゃんが元気かわからない。目立った出血をしていないから、お腹の中にはいるのだろうけど。何気なく次の検診に行って、胎児心拍が確認できなくなっていたなんて話も聞くから、心配だ。

 まだ安定期に入るまでは流産の可能性も低くないから、周りの人たちに公表しない方がいいと、先輩お母さんたちに言われている。今ではお子さんたちを育てているお母さんたちも、5週目、3か月、いろんなタイミングで流産歴があるそうだ。でも、職場ではプロジェクトの関係上、チームリーダーや関係部署の方たちには言った方がいいと思って、実際「このタイミングで教えてもらって良かった。仕事上、○○さんだけには伝えときたいけどいいかな?」と言われる。みんな、おめでとうと言ってくれる。でもやっぱり、仕事に穴を開けることが確定したのも事実。「できるところまでやってくれることが、一番ありがたいから」と言ってくれる方もいれば、善意な感じで「今のうちに暇そうなチームに移っといたら?」と言う方もいた。

 妊娠してから、ネガティブな変化ばかり感じてしまう。もっと喜ばないと。彼子ちゃんのことを待ち望んでいるのは確かだよ。だけど、楽しい将来を想像しようにも、どんな障害や病気のある子が生まれてくるかわからないと思ってしまう。発達時障害児の遊び相手をボランティアでさせて頂いていたとき、担当の子はとってもかわいくて、仲の良い幸せそうな家庭で育っていた。ただ、どんな未来を想像していいのかわからないだけ。

 今感じられるのは、しんどい体調変化と、築いてきたキャリアコースの終了と、妊娠なんだから全部お母さんが引き受けて当然と思われるんだろうなという周りへの気持ち。妊娠初期に毎日幸せいっぱいな感情でいられない私は、お母さん道のスタート時点で後れをとっているのかな。

 職場で結構年配のおばさんが、ちょっと重いものを持とうとしたら、ささっと奪い取ってくれた。「大事にしないとだめじゃない」って。孫もいる子育てベテランで、こんな妊娠初期にちょこっと荷物持つくらい皆やってて全然大丈夫って、絶対知っているのに。こんな妊娠初期には戸惑うこともいっぱいあって、周りの人の優しが身に染みるって経験をされてきたからのプレゼントだったんじゃないだろうか。せっかく今日一番嬉しかったことなのに、思い返すと涙が出てくる。私はちょっと、疲れているようだ。