よく歌い、よく笑う。

2015年10月に生まれた突然変異体(ダウン症)ニャタは育っています

妊娠中に、死を考える

 新しい命を抱えて、死を想う。夏の真昼に強い日射しが照らすと、濃い影ができる。そんな風に、「生」が浮かび上がらせる「死」を、はっきりと見てしまう。

 赤ちゃんが無事に育つか、心配している。脆弱な存在だから、すぐにだめになってしまうのではないかと思ってしまう。私自身も、大きな体調変化を経験している中で、免疫力が落ちているから病気にかかって悪くなってしまうのではないかとか、大出血してそのまま死んでしまうのではないかとか、あれこれ余計なことを考えてしまう。

 でも、そういった死を怖れる気もちだけではない。どうせみんないつか死ぬんだ、という安堵にも似た感じや、死がすぐそこにあるような親近感とも言える感情も、あると思う。

 生きとし生けるものに敏感になって、それを愛おしく思う気もちとも言えるかもしれない。最後は死んでしまうことも併せて、生は素晴らしいと感じる。