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あの日、陣痛そして出産

 かなりお腹が痛かったし、今まで経験したお腹を下すときの痛みや生理痛とは違う初めての感覚だったけど、寝ぼけていたのか、眠り続けようと頑張っていた。あの日の早朝。陣痛は、はっきりとした痛みで、時計も見なかったけど30分間隔くらいだったと思う。何回目からの痛みで、ようやくこれは尋常じゃない、陣痛だと気づいて、起きた。それから、夫を起こしたり、実家の母に連絡をとったり、陣痛の間隔をアプリで記録しながら、そわそわしていた。

 何時間かがあっという間に過ぎて、10分を切る間隔の腹痛になって病院へ。外来ですぐ診察してくれて、そのまま入院病棟へ案内されて。このあたりまでは順調だった。

 その後の陣痛は、絶対おかしかった。痛いというか、体が破裂しそうな感じ。もう無理なのに、数分間隔で容赦なく襲ってくる陣痛。「絶対、私の陣痛は他の人の倍以上痛かった」と言うと、相手に笑われるけど、たっちゃんが21トリソミーで筋力が弱く、なかなか降りてこられなかったこととかで、私の陣痛はおかしかったと今でも信じてる。

 出産の瞬間、人生最大の喜び。たっちゃんと初めてご対面した時の、人生最大の感動。それは損なわれることなく、永遠だ。その時、助産師さんや先生は、たっちゃんの顔を見て、それに産声は元気だったけどあまり泣かないし体が柔らかいのを見て、ダウン症候群だってきっとわかったのだと思う。私は、全然わからなかった。もちろん、そんな瞬間に、確定診断もついてないのに、告知されたかったわけじゃない。だけど、周りは気づいていて私は全然わかっていなかったと思うと、今はまだ、辛い。陣痛の間、「痛い痛い」と大声で叫び続けてしまったことも、できるならやり直したい過去。

 あの日からいろんなことが変わった。この後どうなっていくのか、わからない。かわいいかわいいたっちゃんと、ずっといっしょにいられたらいいなと思う。