子育てをさせる

 昼寝から起きてきた夫が、赤ちゃんの横を素通りしてスマホをいじっている。夜中の授乳をしている私が、昼寝もできずに、夕食の支度をしながら、抱っこできずにしょうがなくバウンサーに座らせている赤ちゃんに話しかけてあやしているのに。

 ひどい、と思う一方で、悠長な夫が頼もしくもある。夫が子供を可愛がっていることはわかる。ただ、子育てを知らないし、眠いとかゲームしたいとか、子どものような自分の欲求を優先させてしまうところがある。でも、私のように、この子はダウン症だから刺激をいっぱい与えなきゃ、常に視覚も聴覚もフル活用してもらいたい、なんて思いつめてしまうことなく、自然体でこの子を育てられるところは、かっこいいと思う。赤ちゃんにとっても、両親揃って私みたいだったら、息が詰まってたまったものじゃないだろうと思う。

 幸い赤ちゃんが順調に育ってくれているので、とても嬉しい。この子は感染症に弱いけれども、この冬を無事に乗り切ってくれるだろうか。心臓に開いた穴は、体に悪さをしないだろうか、手術になったら、無事に乗り越えてくれるだろうか。お母さんになって、心配がいっぱいいっぱい増えたけれども、でも、確実に以前よりも幸せな毎日が続いている。今は心配に溢れて、未来は不安でも、子どもがかわいくてしょうがないという気もちが抑えきれずに全てを覆っている。そんなに母性的な人間じゃないと思ってきたのに、この私の弱い赤ちゃんは、大切に育ててもらえるように、「かわいいでしょ?」オーラを命がけでものすごく発しているのだ。