夫と赤ちゃんと毎日

 夫の誕生日に、求められて洋服を買った。赤ちゃんが産まれてから、前みたいに二人で洋服を見に行くなんてことは皆無だし、肌着なんかをオンラインストアで買う余裕もないような生活をしていて、いい加減新しい服が必要なのはわかる。でも、私は今、自分の服をあれこれと選びたい気持ちには全くなれない。赤ちゃんに授乳して、赤ちゃんのおむつを替えて、季節の移ろいも感じられないままにそれでも赤ちゃんには気候に合った洋服を準備して。母親モード全開だ。夫は子育てをよくやってくれる方だと思うし、家事にも積極的だけど、やっぱり父親は母親と違うなと思う。

 子どもが生後3か月を迎え、すっかり母親になった私は、もちろん母親として完璧とは程遠いし良い母なのかも不安だけれど、いつのまにか自分が変わっていることに気づく。出産前、しばらく食べ歩きもできないだろうから、アイスモンスターを一度くらい食べておかなくて産後後悔しないだろうかと思ったけど、とんでもない。どうでもいい。まだ子どもが入院している時に、夫の運転する車に二人きりになって泣いてしまったのは、子どもの心配でもなく、終わった二人での生活が恋しかったのでもなく、健常児で想定していた今後の子育て人生の見通しが失われたからでもなく、それまでの自分への「さようなら」だったのだと今は思う。

 前のままの自分が子どもを受け入れるのではなく、この子の母親として生まれ変わったのだ。この子の成長(標準の倍くらいの時間がかかるし、最終到達点も限られている)を心から喜び、この子の将来(お母さんとしては、今のところ、元気な青年期はグループホームで、しかもカップルで暮らせたらいいと思う)を心から楽しみに思うお母さんになったんだ。