家出の終わり

 赤ちゃんを抱えて、実家から、夫の住む家に戻った。口火を切ったのは、私の母だった。仮の生活も1か月以上になり、先の見えない曖昧な状況であることくらい終わりにしたいといった内容だったと思う。それから、私は夫と話し合った。喫茶店で、赤ちゃんを母にお願いして実家に置いてきて。産後はじめて、メニューを選んで注文した(カウンターで持ち帰りの飲み物くらいを頼んだことはあったけど)。実家に戻って、母に話の内容を報告した。それから、どういう経緯だったか、母が怒って、それから、どういう経緯だったか、私と赤ちゃんは夫と暮らした家に戻った。夜、赤ちゃんが寝てから、いろいろと相談にのってもらっている兄に、とりあえず戻ったことだけ報告の短いメールをしておいた。兄はもう母と話した後だったらしく、「帰らされたらしいね」と返事が来た。それをみて、そうか私は帰らされたんだ、と思った。

 家出の終わりは、あっけないものだった。もう同じ生活には戻れないとか、言ったことを説明してほしい、何なら謝ってほしいとか思って、ずいぶんいろいろと考えたけど、とにかく、家に戻ってしまった。とにかく、赤ちゃんの生活をできるだけ乱さないように、生活を急に変えてしまわないように細心の注意を払って、今日明日は暮らしている。だから、まだ自分のことをゆっくり考える余裕がない。夫もいちいち気を遣ってくれているし、そんな感じで夫婦でまたいっしょに暮らし始めた。