母親失格

 こんな小さな子どもを置いて仕事に行きたいなんて、むしろ人間じゃない。経済的にもどうしても無理なわけじゃないし、仕事だってなんだかんだ言ってすぐに誰でも代われるただの歯車。理由付けをして、とにかく子どもをないがしろにしたいだけ。もちろん、そんなふうに子どもを粗雑に扱うなら、真っ当な人間に育つわけがなく、将来苦労するのは結局母親。大変な苦労をすることになる。

 実家の母に、こう言われたんだと思う。一つ一つの言葉は違うかもしれないけど、中身はこういうこと。

 夫は夫で、私の実家の母のことを色々言う。子どもを預けるのもかわいそうみたい。だけど、一家を経済的に背負っていく気はない。そのことは結婚前に言ったでしょって。保育園探しも、今話題の大変な保育園探しも、私に任せっきり。任せっきりならまだ良くて、もっといいところがあるんじゃない?そういうところに入る裏技がきっとあるよ。こんな園庭もないんじゃ、かわいそうになっちゃうな、って…。

 大丈夫。相談に乗ってくれる人はいる。例えば、私の兄。それから、職場の人達。昔からの友人。

 最近、寝つきが悪い。出産以来、夜まとめて寝られなくなって以来、寝つきが悪いなんてありえなかったのに。10分でも、1分でも、いつだって、熟睡できたのに。変な夢を毎晩見る。やたらリアルで、でも起きて見ると、こんなことありえないじゃないみたいな世界。

 大丈夫。かわいい子がいる。私は本当に、心から、この子を最高に可愛がっていることを疑いようがない。この子も疑いなく、私を愛している。たった0歳10か月の赤ちゃんも、人を心から愛することができるんだ。人をと言うか、お母さんのことを。お母さん以外じゃ、誰だって、泣いちゃうんだから。