生きていたいと思える出来事

 靴下を履かせてもらった。たっちゃん(1歳10か月)が、お母さんが着替えている時、靴下を拾って、足首のところを広げて、お母さんの足先に持ってきてくれた。感動。人に靴下を履かせてもらうということ、たっちゃんに何かしてもらうということ、たっちゃんに靴下を履かせてもらうということ。

 思い返せば、両親に育ててもらってたくさんの人に助けてもらって、私は今日ここまでやってきたのだけど、まあ大変なこと辛かったこともたくさんあって、楽しくも嬉しくもない気持ちで一人暮らしの部屋にいる自分が脳裏に浮かんだりもする。結婚して幸せな時もあったけど、夫に不安を覚え、妊娠出産で結局お母さんになる女性が抱え込むことも多く、そして産後の慣れない育児や、出産と育児疲れで前の通りではない自分、子どもの将来を心配する日々。

 そしてここには一生懸命で儚いほどに可愛らしい生き物がいて、見よう見まねで覚えた「靴下を履く」ということを、お母さんにやってくれようとする、このふわっとした感じ。心が解ける。なんだろうこの感じ。生きていて良かった。この子とずっといっしょに生きていきたい。